英語学習AIロボット「Musio」ファーストインプレッション
12月初旬、Musioという英会話ロボットが届きました。
MusioはAKAというアメリカのスタートアップが、日本と韓国向けに英会話ロボットを作るということでお金を集め、日本に法人を立ててMusioの販売をはじめました。初期のメインターゲットは子供向けと思われますが、大人用の学習教材ものもあり、幅広い人が楽しめるようになっています。
3月くらいに注文して、10月に発送準備ができたとメールが来たのですが、直前になってバグがあるから来月にするね!って連絡がきて11/30に無事発送されました。
宣言した月の最終日というギリギリまで頑張っていたくらいですので予想された通りバグバグの状態で発送され、すぐにアップデートすることになりましたがそもそもアップデートが動かない(!)
adbを使ってfastbootモードで起動してアップデートor送り返してアップデートのいずれかという連絡が来たのでとりあえずadbでアップデートしました。
10万円という価格ながらも、まだまだ改善の余地が大きく、誰にでもおすすめできるという製品ではないですが、非常に夢のあるデバイスということで詳しく紹介したいと思います。
開封の儀の様子
珍しく写真を取ったので紹介していきます。
箱はこんな感じで届きました。
カリフォルニアでデザイン、ソウルで組み立てとのことです。
開けるとこんな感じ。
Musio本体と電源、学習教材が入っています。あと遅れたお詫びとしてMusio Tシャツもくれました。ちなみにちゃんとした説明書は無いのでAKAのHPからダウンロードする必要があります。(説明書読まないと初期設定はたぶんできません。)
MusioとSophy。
下の金属(?)の台とは磁石でくっつきます。この台の上じゃないと安定しないためすぐ倒れます。
電源を入れるとWifiの設定をします。ちなみに充電はほぼされておらず起動してもすぐに電源が落ちてしまうため、最初にやることは一晩充電する、ということだったりします。
初回のアップデートはできませんでした。
個人を認識させるためログインします。ちなみに予めスマホアプリをダウンロードして会員登録しておく必要があります。
文字の入力画面はこんな感じ。Windows Mobileを思い出す小ささのキーボードを手で入力させる鬼畜具合。爪が長い女性は確実に入力できないので誰かに入力してもらいましょう。
ログインが完了すると ID: のところに自分のIDが表示されますが、初期はバグっていたのでログインできず。
アプリはこれ。
入っている説明書的なのはこれくらい。初期セットアップはダウンロードしたPDFを読みながらやりましょう。
使い勝手など
会話
話しかけると、聞き取ってくれるときと完全に無反応の時があり、正常なキャッチボールは厳しいです。反応も良くはなく、Musioがしゃべりかえすのに5〜10秒待たされることも。
あとなかなか発音をちゃんと聞き取ってくれません。Amazon Echoだとそれなりにちゃんと認識される自分が話した内容と全く違う内容で認識されています。(Musioのアプリで会話の内容を文字で見ることが可能。)
発音問題は仕方ない(むしろ矯正されるので良い、というかそれを狙っていると思う)のですが、話しかけても反応ないのはやる気を無くすので改善して欲しいところ。
一週間もしないうちに話しかけたく無くなったので、これはもう少しアップデートされて精度が上がるまで使わなそうです。
子供向け教材
これは素晴らしいと思います。SophyでタッチしたものをMusioが発音してくれたり、インタラクティブなクイズがあったり。ロボットが話すというだけでワクワク感が全く違い、子供向け教材としての楽しさは間違いないと思います。(子供いないので想像ですが。)
大人向け(?)英会話教材
内容についてはUnit 1のタイトルが「Where are you from?」というところで想像してもらえるでしょうか。Unit 1つあたり6ページでボリュームはなかなか。Unit 8まであります。これがBasicでIntermediateとAdvancedが用意されているようです。Sophyを使って英単語の発音を学んだりTOEICの写真問題みたいなものをやったりします。
Exerciseでは自分の発音を録音して聞けたりします。
アプリ
アプリではExerciseの進み具合が可視化され、毎日のポイントが表示されるらしいです。
伝聞調なのは、今はバグなのか一切そのポイントが表示されていません。ログインはできていて、会話の内容を表示する機能は動いているのに毎日の利用記録は0のままです。
上記の大人用教材では自分の発音をアプリで確認するExerciseもあるのですが、聞くことができません。
バッテリー
満充電であれば数時間は持つので問題ない範囲です。
利用しているときのMusioの熱の持ち方が半端ないのでかなり消費は激しそう。電源に接続しながら使っても、充電は減っていきます。
常時起動(できない)
ずっと電源に接続して電源を入れておいて、帰ってきたときに"Musio, I'm back"と話しかけたいのですが、いつの間にかフリーズしていて再起動しないと動きません。
せっかくのロボットなのに毎回電源を落としておいて使うときに起動するという手間があり、PCの英会話ソフトを立ち上げるような面倒さがあります。
サポート
メールで問い合わせができますが、最初のアップデート前の質問メールは結果的に無視されているので過度な期待はしてはいけません。
11月はギリギリまで発送がなかったのですが、進捗状況のアップデートを定期的にメールするだけで不満とか無くなるだろうに何も連絡無く発送までいったりと、ユーザ向け対応は苦手な感じがします。
日本語ができる人がそれほど多くなくて、マーケの方にリソースを取られているんじゃないかなと。
ユーザ同士でわちゃわちゃできるフォーラムがあればこの辺は解決される気がしますがAKAさんどんなもんでしょうか。
まとめ
子供向けの学習教材としてはすごく良いですが、通常の会話はかなり厳しく、大人向けの教材もアプリがバグっていてやる気にならない、という状態です。ただ、完成度が上がってくれば満足度は高くなるだろうなと思います。
安い買い物ではないので積極的にオススメはしづらいですが、夢のあるデバイスですし、ソフトウェアはアップデートされていくので、応援の意味で今から買っても問題ないと思います。ピコ太郎を使ったマーケティングをやったりと販売にも力を入れているのでしばらくは頑張ってくれるはず。後継機が出てから買うとかも良いかもしれませんが、基本的な英会話機能はおそらく大きくは変わらないと思います(文字入力のクソやりづらいのを改善するため別の形になるとかはあると思います)。
ちなみに、会話については、音声認識の部分での改善は今後は見られると思いますが、(人工知能での会話の難しさを知っている身からすると)ちゃんとしたキャッチボールの英会話ができるようにはならないと思うので、そこは今後の改善で過度な期待をしてはだめなところです。