LINE WAVE先行体験版の雑感 - Amazon Echo、Google Homeと比較して
先日LINE WAVEが無事届きました。同じスマートスピーカーであるAmazon Echo, Google Homeの両方を持っているので相違点を中心に感想をまとめました。
EchoもHomeも年内には日本語対応してくるみたいですが、まだ英語でしか使えていないので、その点をご注意ください。
※写真一番右はAI搭載英会話学習ロボットのMusioさんです
LINE WAVEでできること
今はまだ音楽再生と天気予報とアラームくらいです。ニュースを流そうとすると「いま準備をしています」となるので、これから色々進化していくことでしょう。
Amazon Echoは自社サイトでのショッピングができたり様々なSkillで拡張できたり、Googleは自社サービスとの連携(Googleカレンダーの予定を読んでくれたり)が簡単だったりという特徴があると考えると、LINE WAVEも独自性をどう出していくか気になるところです。
ハードウェア周りについて
電源コネクタが刺しづらくかなりしっかり入れないと充電がされないのがいただけないところです。最初電源ケーブルがちゃんと入ってなかったようで、充電がされない状態でした。その後ちょっと移動させたタイミングでまた半分抜けてしまっていたようで朝になったら電池ゼロで落ちてしまいました。
大きさについては最初の印象は"でかいな"と思いました。高さはAmazon Echoより小さいですが幅を取っています。バッテリーがあるのとスピーカーに良いのを積んでいるのもあるのでしょうが、製品を小さくするコストは想像以上なんだろうなと勝手に思ってます。
赤外線で家電を操作できる機能はまだ試せていませんが、便利に使えそうで期待です。それよりも日本の家電メーカーがさっさとWifiやBluetoothで操作できる機能をつけて欲しいと思うわけですが。赤外線での操作に満足しているとまたガラパゴス状態になる気がします。
物理ボタンが裏側に電源ボタンとマイクオフボタン、あと上部に6つの操作ボタンがあります。ボリュームの上げ下げと曲送りがあり、残り3つはショートカットキーを設定できる予定のようですが現在は固定で、プレイリスト再生と「クローバ」の呼び名を省略して音声操作できるというものです。
他製品は電源とマイクオフ、ボリューム操作くらいしか物理で操作するものはありません。必要ないと思うんだけどなぁ。。。まぁスマートスピーカーというよりは音楽再生ガジェットとして物理ボタンをつけたということでしょう。
ソフトウェア周りについて
Amazon Echo, Google Homeと比べると、応答が1秒程度遅いです。2製品は2秒弱程度で応答が始まるのに対し、WAVEは3秒弱かかります。この差は実際に体験してみると大きな差です。
Amazon Echoの開発時にベゾスは応答速度3秒以内を実現しろといってかなりこだわったらしいです。
そのラインは達成しているので使用感として大きく不満ということは無いのですが、普段Google Homeを使っていてその速度に慣れていると明確に「遅い」と体感できる差があります。
日本語の処理部分については、呼びかけても反応してくれなかったり、クラシック音楽を再生してほしいのに「クラシック」という名前の曲を再生したりもどかしい思いをすることがままありますが、日本語特有の難しさもあると思うので、ここは英語対応の他製品と比較しても仕方ないですね。
理解できない内容についても人工知能がなんとか答えようとしてくれます。他製品は「Sorry, I couldn't help with that.」と答えるところを、「私もそう思います」みたいな会話をしようとしてきます。
こういったところは個人的には求めていないのですが、日本市場には受けそうな気もするのでGoogle Homeなどとの戦いになったときに消費者がどちらを選ぶのかは気になるところです。
とはいえ人工知能が自然言語を理解して会話ができるようになるには技術的なブレークスルーが必要なわけで、どんな内容にも答えさせようとするのはまだ時期尚早じゃないかなとは思います。
Clovaアプリについて
ここは流石LINEといったところで最初からクオリティ高いですね。とはいえ普段からClovaアプリを使うことも無いので、これが良いからといって製品の評価がすごく上がるというものでも無い気はします。
LINE WAVEという製品について思ったこと
これから出てくるであろう他社製品との差別化というところで、LINEの新着を教えてくれたりとか、お気に入りのLINE LIVEの時間を知らせてくれたりとか、今後はそういったLNIE製品群を活かしたパーソナライズに強みを持てると思います。
ただそうなるとあまり他人がいる状況で使うことが考えられず、持ち出して使うケースが少なくなって、バッテリーのメリットが無くなってしまいます。
という感じで、家に置いといてほしい製品なのか、持ち出してどこでも使って欲しい製品なのかがよくわからない製品だなぁというのが正直な印象です。
個人的にはスマートスピーカーは家においておき、ニュースを聞いたり予定を確認したりと、アシスタントとして使うものだと思っていて、補完的な製品としてAmazon Tapのような持ち運び用途のものを出すのが正しいかなと。
色々詰め込むと値段も高くなりますしサイズも大きくなって良いこと無いですからね。
「ホームアシスタント」「どこでも便利に音楽再生」という二兎を追ってしまった感じがあるので、これが吉と出る凶と出るかといったところです。
おわりに
スマホがあっても家でインターネットするならPCでいいじゃんと思っていたら、今となってはPCを立ち上げるのが面倒でスマホを使っています。同じように音声操作の便利さを一度覚えてしまうと、スマホを立ち上げるのすら面倒になって当たり前のように音声操作を使うようになっていくのではないでしょうか。
そういう意味で一家に一台スマートスピーカーという時代は来ると思っていて、それをどの製品が実現するのかという行方が気になります。
今回のLINE WAVEはそういうスマートスピーカーというジャンルに直球勝負を挑むのではなく、音楽再生というところに寄せてきている印象を受けました。
新しいジャンルではあるので一般消費者に受け入れやすいように敢えてそうしたのか、それとも直球勝負だとGoogleなどのプレーヤーに勝てないと判断したのかはちょっとわかりませんが、今後の進化の方向性に注目です。
写真とか
いくつか写真をとったので最後に貼り付けておきます。
外箱
内箱
開けるとこんな感じ。
サイズ比較。
後ろ側に電源ケーブルを挿すところと電源ボタン。
電源入れると光る。
アプリの接続画面。